ぷちこの覚書

思い出などをポツポツと…

オノマイさんの個展NEKOに行ってきた

猫絵描きオノマイさんの個展に行ってきた。
場所は「錆猫ギャラリー」さん。猫関係の素敵な展示を沢山しているところでお名前をよく聞いていた。今回初めて伺ったが明るい素敵なギャラリーだった。看板が可愛いんだよねf:id:putiko73ogu:20220226101119j:image

さて、どこを向いてもマイさんの猫、猫、猫でとても幸せな空間だった。
入口やガラス窓から入る光で描き足された金色が光る。少し移動するだけで反射が変わって見え方が変化する。
Twitterで拝見しているのとはまるっきり違う魅力がある。背景だったり着物の柄だったりイチョウの葉だったり。

中でも1番印象が変わったのは縦長の作品「朱」。Twitterでは縦長故に全部は見れなかった。お品書きでもバックに描かれた水草の印象は薄かった。
でも実際は全く違う。薄茶というか栗色というかのバックに金色で描かれた水草(俗にいう金魚藻)が光の加減でゆらゆらと浮かび上がって見える。まさに水の中。
白い着物に赤い兵児帯をふんわり結んだ黒猫さん(メガネの見返り風美人)が違和感なく金魚に見える。ああ、だから帯はこの形なんだと合点がいった。
うーん、家にちゃんとした和室があったらな。四角い柱と丸窓障子、壁は昔ながらの金が少し入ったくすんだ若草色の塗り壁で、そして金具のオシャレな桐のタンス……とつい妄想してしまった。

そんな中、今回お迎えさせていただいたのは娘の選んだ作品「縁定」。
これ、よくぞこの額をって思うくらい、額が似合ってて。白無垢を着た白猫さん、サングラスと重ね衿、小物と椿の花に赤があるけどどちらかというと白がちな作品。それが絶妙なピンクの額に収まって華やかさが増している。額までが作品!と強く感じる1枚だった。
縁定…娘の縁が定まったら嫁入り道具に持たせようと思う。いつになるやら……
そうそう、ホテルに荷物を取りに戻った時振袖のお嬢さんがいた。後ろ姿だけなのだが黒字に紅白の大きな椿柄でとても素敵だった。白いピアノの鍵盤のような柄の帯をお花のようにしめて。マイさんの絵に出てきそうねと娘と見送った。これもいい思い出。

今回、運命とか巡り合わせってホントにあるよねって経験をした。
私のお目当ては「黄葉」だった。
2017年、雪の北海道で道路の真ん中で悠然と立っていた牡鹿を思い出した。結構な至近距離(と、私は思っている)で長い間見つめあったと思うのだが運転していたダンナ曰く10秒あるかないかだったそう。手にしたカメラを構えることもできずただただ牡鹿に目を奪われて子鹿と母鹿も一緒だったことにも気づかなかった。
少し風吹きかけていた雪と合わせて自然や野生への畏怖を強く感じた時間だった。
その時の事を思い出した。
マイさんの描いた鹿の泰然とした瞳とその角に絡んだイチョウ(これも金が沢山使われていてため息出るほど綺麗だった)の輪の中で居眠りする猫と銀杏にじゃれる子猫。のんびりと無邪気。寝室に飾りたいと思っていた。
入口を抜けた時、正面に見える件の絵はまだキャプションがついていた。私はもう手に入れた気になって手の消毒をしていた。
と、左側からその絵に近づいてキャプションに手を伸ばした人がいる。ジェルを手に広げながら呆気に取られる私、剥がされるキャプション。その方は私たちの前に並んでいた方だった。
例えば並んだ順番が逆だったら、もっと早く買われてしまっていたら、こんな事感じなかったかもしれない。でも会計まで私たちの前だった事に「ああ、これが神様のサイコロね」って思わずにいられなかった。
きっとあの方のお家で素敵な場所に飾られるんだろうな。

作品集とポストカード(バイキングのように沢山あって狂喜乱舞)も買ってマイさんやギャラリーの方とお話させていただいて、楽しい時間はあっという間に過ぎた。

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さて、これでまた我が家にマイさんの絵が1枚増える。待っている時間もまた楽し。
錆猫ギャラリーさんには既に2回通販でお世話になった。またまたお手数をおかけしますがよろしくお願いします。いつも丁寧な梱包ありがとうございます。

 

マイさんのファンは老若男女幅が広い。年配の男性が1人でじっくり見ていたのが印象的だった。この次がお会いする時は初日を避けて少しゆっくり鑑賞したいと思っている。でもまた欲しい作品が出てきちゃうだろうな。